映画とチェス

(前回の続き)

 

冷酷な人物がチェスをやっているシーンが映画に出てくる、という話をしている途中でした。

 

『ブレードランナー』ではレプリカントのボスのロイが自分を作った会社の社長と
チェスで勝負します。
ただし実際に駒を動かしているのは別の人物です。
ここではレプリカント(人造人間)が持つ知性、
その中でも特にこのロイの知性と冷酷さが表現されています。
『Xメン3』では過激派ミュータントのボスのマグニートが
チェスをやっている場面が出てきます。
また自分の兵隊をチェスのポーンに例えたりする発言もあります。
「チェスでもはじめはポーンからだ」などと言ったりしています。
PC用ゲーム「エイジ・オブ・エンパイア2」のオープニングでは、
王様2人がチェスをやっている映像が出てきて、
それにオーバーラップして戦争の場面が出てきます。
こちらも自軍の兵隊をチェスの駒に例えています。
人間を「捨て駒」にする冷酷さを表現しているというわけです。

 

アニメの『エヴァンゲリオン』ではネルフの司令官碇ゲンドウと冬月が
将棋をやっている場面が出てきます。
こちらもやはり冷酷な感じと陰謀の相談的な感じを表す場面ですが、
将棋ではどうもやはりチェスに比べて冷酷度が少し下がるように思います。
碇ゲンドウが「藤井システム」や「ゴキゲン中飛車」などの戦術を使っている所を想像すると
いまいち冷酷さが出ない。
もっともこれは将棋の戦術のネーミングの方の問題です。
しかし思うのですが、この2人はゲームとして将棋をやっている以上、
やはり勝ったり負けたりしているわけです。
たとえば碇ゲンドウがいつも勝ってばかりいたのではつまらなくてすぐ飽きてしまう。
碇ゲンドウもやはり3回に1回か
5回に1回くらいは負けるに違いない。
碇ゲンドウはいつも「すべては計画どおりだ」みたいな顔をしていますが、
「将棋ですらうまくいかないんだったら、現実はもっと予定通りにはいかないぞ」
などと言いたくなります。

 

この「チェス効果」は映像表現としてはなかなか便利なものだと思います。

<終わり>

――――――島原半島・長崎県の特産物紹介―――――――

  

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