能面

(前回の続き)
能では多くの場合、主人公であるシテが面をかぶって登場します。
いわゆる中間表情というものになっており、
見ようによって笑っているようにも泣いているようにも見えます。
この意味は少なくとも2つあり、
ひとつは、場面状況によって違った表情に見えるということです。
もうひとつは見る角度によって表情が変化する、ということです。
以前、能面の展示会に行ったことがありますが、
係員の方に教わって腰を落として視点の高さを変えてみるとと
実際に表情が変化しました。
特に低い体勢から少しずつ腰を上げていくと面がニヤッと笑ったように見え、
本当に驚きました。
口のふくらみの具合のせいで、上から見ると口角が上がって見えるわけです。
逆に下から見ると口角が下がり、悲しんでいる、あるいは怒っているように
見えます。
シテ役の演者はこれを利用して、顔の角度を微妙に変えることで表情の変化を表現しているそうです。
しかし能では面を上に向けることで喜びを(能の用語で「テル」と言う)、
下に向けることで悲しみを表す(「クモル」)といいます。
これは私の印象とは逆になっており、
いったいどういうわけなのかよくわかりません。
実際の口角の見え方よりも、状況の方を重視するということなのでしょうか。

しかしいずれにせよ、能面のこうした微妙な表情を
漫画を描く際にも表現できたらいいと思うしだいです。

<終わり>

――――――島原半島・長崎県の特産物紹介―――――――

  

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